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【実録】特定技能 自社支援切り替えまでの挑戦

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実家の町工場を継ぐために日々奮闘中のmomoです。
私の実家は従業員20人未満のとある小さな町工場。私はここで書類関連の処理全般とお客様対応をしています。
中小企業って、なんだかんだいっつも忙しい。事務も経理も営業も人事も全部少人数でこなしていかなければいけない。いっつも忙しいから人手が欲しい。
人手が欲しいから求人を出してみる。……が、そう簡単には人は来ない!!

そこで実家の工場が導入したのが特定技能外国人の採用。
登録支援機関に委託すれば安心!そんな軽い気持ちで始めてはや1年。

momo

外国人の雇用、もっとコスト削減できないかな?
外部委託していると制度についてあんまり分かんない…監査乗り切れるかな?

だんだんこんなことを思い始めました。そこで思い切って自社支援への切り替えに挑戦!
法務省のHPにもマニュアルやガイドブックは載っているものの大変分かりづらい上、
調べてもネット上にわかりやすい記事はなかったので自分でまとめてみました!
長くなるので今回はvol1として自社支援切り替え要件の確認までを記載します。

この記事を読むと分かること

✓自社支援で特定技能外国人を雇用する条件がわかる

✓登録支援機関への全部委託から自社支援への切り替え要件がわかる

特定技能外国人を受け入れる要件

中小企業の心の声

自社支援の前に、そもそも特定技能の外国人を雇用できる条件ってなんだっけ?

まず簡単にここを確認しておきましょう。ついでに専門用語も整理しておきます。

覚えておきたい専門用語

  • 特定技能外国人:
     特定技能ビザを所有する外国人のこと。特定技能には1号と2号がある。
  • 受け入れ機関/所属機関:
     特定技能外国人を雇用する企業のこと
  • 登録支援機関:
     受け入れ機関が特定技能外国人を雇用するにあたり独自で支援できる体制が足りない場合に使用できる政府から許可を受けた団体。特定技能外国人を斡旋/採用手続き/雇用中の必要支援を行ってくれる。
  • 特定産業分野(12分野):
     特定技能外国人を雇用し労働させることが認められている12分野14業種のこと。国内で人手不足とされている職業分野が選定されている。
  • 定期届出:
     所属機関(登録支援機関を使用している場合は登録支援機関も)が3カ月に1回入管へ提出しなければならない書類
  • 随時届出:
     所属機関および登録支援機関が特定技能外国人を雇用中、事前に入管に届けている情報に変更があった場合定期届出ではなくこの随時届出を提出して情報の修正/変更/更新を行う。
  • 全部委託/一部委託:
     法務省が求めている特定技能外国人雇用のための要件を企業が独自で満たせない場合、登録支援機関に支援業務を全部、もしくは一部委託して要件を満たしたとみなすことができる。
  • 自社支援:
     法務省が求めている特定技能外国人雇用のための要件を企業が独自で満たし、外部委託なしに特定技能外国人を雇用すること

受け入れ機関となるための要件

細かい条件は多岐にわたるため、絶対必要な4条件と、分野別に必要な条件、それぞれの簡単な説明を記載しておきます。

受け入れ機関が満たさなければならない共通の条件

  1. 外国人と結ぶ雇用契約が適切であること
  2. 受け入れ機関自体が適切であること
  3. 外国人を支援する体制があること
  4. 外国人を支援する計画が適切であること
  5. 入管へ定期的、または随時提出物を作成し提出、保管できること
①外国人と結ぶ雇用契約が適切であること

「雇用契約が適切」とは、簡単に書くと日本人と同等の報酬/就業条件であることを指します。外国人だからといってほかの日本人とは異なる雇用形態や雇用条件、差別的な対応をしてはいけません。通常通り労働基準法も適用されます。

②受け入れ機関自体が適切であること

労働基準法、社会保険や租税の法令を遵守していること。5年以内に出入国・労働基準法令違反がないこと。

③外国人を支援する体制があること

特定技能1号ビザに関しては、この「支援」が必要とされます。外国人が理解できる言語で支援ができること。(これは翻訳機の使用、外部通訳の使用も認められています。)法律で定められた10の支援を実施できること。
この項目に関して、登録支援機関に全部委託する場合は不要要件となります。

④外国人を支援する計画が適切であること

特定技能1号ビザに関しては、この「支援義務計画が適切であること」が必要とされます。もちろんどんな計画なのか計画書の提出が必要となります。また、計画書は雇用される外国人がよく理解できる言語の併記が必要です。

⑤入管へ定期的、または随時提出物を作成し提出、保管できること

受け入れ機関になった場合、3カ月に1度の定期届出と何かしら変更点や入管からの指摘があった場合に発生日から14日以内に随時届出を出さなくてはなりません。

受け入れ機関が満たさなければならない分野別の条件

  1. 自社が特定技能外国人の雇用を認められた12分野に該当すること
  2. 連絡協議会への加入
  3. (建設分野のみ)受け入れ計画認定証の作成/提出
①自社が特定技能外国人の雇用を認められた12分野に該当すること

そもそも特定技能外国人を雇用するために自社が下記12分野に該当している必要があります。

分野名従事する業務特定技能1号特定技能2号
介護身体介護等(利用者の心身の状況に応じた入浴、食事、排せつの介助等)のほか、これに付随する支援業務(レクリエーションの実施、機能訓練の補助等)
(注)訪問系サービスは対象外
ビルクリーニング建築物内部の清掃
素形材・産業機
械・電気電子情報
関連製造業
・機械金属加工
・電気電子機器組立て
・金属表面処理
建設・土木
・建築
・ライフライン・設備
造船・舶用工業・溶接
・塗装
・鉄工
・仕上げ
・機械加工
・電気機器組立て
自動車整備自動車の日常点検整備、定期点検整備、特定整備、特定整備に付随
航空・空港グランドハンドリング(地上走行支援業務、手荷物・貨物取扱業務等)
・航空機整備(機体、装備品等の整備業務等)
宿泊宿泊施設におけるフロント、企画・広報、接客及びレストランサービス等の宿泊
サービスの提供
農業・耕種農業全般(栽培管理、農産物の集出荷・選別等)
・畜産農業全般(飼養管理、畜産物の集出荷・選別等)
漁業・漁業(漁具の製作・補修、水産動植物の探索、漁具・漁労機械の操作、水産動植
物の採捕、漁獲物の処理・保蔵、安全衛生の確保等)
・養殖業(養殖資材の製作・補修・管理、養殖水産動植物の育成管理、養殖水産動
植物の収獲(穫)・処理、安全衛生の確保等)
飲食料品製造業・飲食料品製造業全般(飲食料品(酒類を除く)の製造・加工、安全衛生)
外食業・外食業全般(飲食物調理、接客、店舗管理)
出展:出入国在留管理庁/特定技能ガイドブック~特定技能外国人の雇用を考えている事業所の方へ~

②連絡協議会への加入

①で記載した各分野ごとに連絡協議会が設置されており、外国人の受け入れから4カ月以内に加入することが必須です。
素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業分野に関しては、外国人の受け入れ前から連絡協議会への加入はできました!
分野ごとに管轄する省庁が異なるので注意しましょう。ちなみに弊社が登録の手続きを行ったときは承認に3カ月かかりました

省庁名担当分野
厚生労働省・介護
・ビルクリーニング
経済産業省・素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業
国土交通省・建設
・造船・舶用工業
・自動車整備
・航空
・宿泊
農林水産省・農業
・漁業
・飲食料品製造業
・外食業
出展:出入国在留管理庁/特定技能ガイドブック~特定技能外国人の雇用を考えている事業所の方へ~

③(建設分野のみ)受け入れ計画認定証の作成/提出

建設分野で特定技能外国人を雇用する場合には「建設特定技能受入計画」を作成して申請、認可を受けることが必要です。建設業は技能実習生の失踪率が非常に高いそうです。これは受け入れ機関の労働基準法違反が原因と考えられており、労働環境の改善のために建設業のみ専用の計画書が必要となります。

登録支援機関委託から自社支援に切り替えるための要件

それでは、実際に自社が受け入れ機関となり登録支援機関に全部委託して特定技能外国人の雇用を始めた後、自社支援に切り替えたいときはどんな条件が必要なのか?を見ていきましょう。

  • 1. 外国人を支援する体制があること
  • 1-1.外国人を支援する体制があるか確認する
  • 1-2.支援担当者/支援責任者を選任する
  • 2. 外国人を支援する計画が適切であること
  • 2-1.支援計画書の作成、提出、保管を行う
  • 2-2.義務的支援を実施する
  • 2-3.外国人が「よく理解できる言語」で支援を行う
  • 3. 3カ月に1度対面での面談を実施する
  • 4. 入管へ定期的、または随時提出物を作成し提出する

1. 外国人を支援する体制があること

先ほど書いた受け入れ機関となるための要件の内、登録支援機関に全部委託していれば不要だった要件が、自社支援では必要になってきます。

1-1.外国人を支援する体制があるか確認する

自社支援で「支援の体制がある」と認められるためには、以下3つのうちどれか1つに該当することが必須です。

1.過去2年間に中長期在留者(※A)の受入れ又は管理を適正に行った実績があること、及び、役員又は職員の中から、支援責任者・支援担当者を選任していること。

2.役員又は職員が過去2年間に中長期在留者(※A)の生活相談業務に従事した経験がある方の中から、支援責任者・支援担当者を選任していること

3.「1」及び「2」に該当する者と同程度に支援業務を適正に実施することができる者として出入国在留管理庁長官が認める役員または職員の中から支援責任者・支援担当者を選任していること

※A:経営ビザ等の就労ビザに限られ、永住権等身分系のビザは含まれない。技能実習生は含まれる。

出展:法務省/特定技能外国人受入れに関する運用要領

momo

弊社は2年以上の技能実習生の受入実績があるため、「1」を選択しました!

1-2.支援担当者/支援責任者を選任する

外国人を支援する体制のひとつに、支援担当者と支援責任者を選任することが求められます。

支援担当者/支援責任者は兼任でも構いませんが、務められる方の条件が決まっています。

①雇用される外国人と同じ事業所に属していること

②直接的/間接的に外国人に指示をする立場にないこと

役職がなくても、同部署や関係部署で外国人に次の工程の指示をできるような立場にある方、つまり組織図を書いたとき縦の関係になる方はすべて支援担当者/支援責任者にはなれないので注意しましょう。

事業主の親類も間接的に外国人に指示ができる関係性にあるため支援担当者/支援責任者にはなれません。

さらに、先ほどの「2」または「3」を選択する場合は、支援責任者/支援担当者になる方の履歴書の添付が必須となります。
履歴書には一般的な職歴だけではなく、生活相談業務に従事した具体的な経歴や、もしくは支援業務を適正に実施することができる証明内容を記載する必要があります

中小企業の心の声

支援業務を適正に実施することができる証明ってなによ?

momo

出入国在留管理庁が出している運営要領によると「個別に判断される」とのこと…具体的にこれ!って書類はないようよ…

中小企業の心の声

えっ難易度高くない?

momo

でもヒントは書いてあったよ!参考にしてみて!

証明内容となる書類のヒント

①在留する外国人の雇用管理や生活相談を行った実績
②支援を適切に行う能力や体制があるといえるような事業実績
③支援業務に従事する役職員の経験及び保有する資格

2. 外国人を支援する計画が適切であること

ここで大切なのは3つです。

①法律で決められている義務的支援を実施するための計画書を作成し提出保管すること

②外国人への支援はその方が「よく理解できる」言語で行うこと

③計画書の言語は日本語+雇用する外国人の母国語で記載すること

2-1.支援計画書の作成、提出、保管を行う

計画書は法務省が公開している「1号特定技能外国人支援計画書参考様式1-17」の記入例に沿って作成していくのが一番簡単です。
社内で支援担当者/責任者、関係各所と確認しながら支援計画を立てていきましょう。

計画書の言語は日本語+雇用する外国人の母国語で記載する

基本的に計画書の言語は日本語+雇用する外国人の母国語を併記することが求められます。
入管の考えでは、外国人を支援サポートするのは本人がよく理解できる言語であればかまわない、としていますが実際の書類申請時に入管側では各社に採用されている外国人の言語能力を測るのは難しいため、たとえ自社の外国人が日本語を理解できるからと言って母国語を併記しないと、申請が不合格になる可能性が高いです。

審査を合格するためにも計画書へは母国語の併記を行いましょう。

2-2.義務的支援を実施する

実施する義務的支援の詳細については、出入国在留管理庁が発行しているガイドブックのp11をご覧ください。

この義務的支援を先ほど作成した支援計画書に沿って確実に実行しなければなりません。

2-3.外国人が「よく理解できる言語」で支援を行う

ここが少々曲者です。
雇用する外国人が「よく理解できる」言語は母国語とは限られていません。

実際、その方が日本語を十分理解しており、契約書等も難なく読解できるようであれば日本語での支援も可能です。ただし、その方の日本語の能力を審査する入管が納得する形で提示しなくてはなりません。
一般的にビジネスレベルの日本語はJLPT N2レベルからと言われていますので、本人がN2またはN1に合格しており、その合格証を添付することができたら証明書類となる可能性があります。

ただし、入管の審査はあくまで個別判断(担当者ベース)となるためこれなら絶対大丈夫という保証がありませんので注意しましょう。

外国人の母国語でサポートを行う場合は通訳を使用することに加え、翻訳機の使用も認められています。翻訳機も大いに活用していきましょう。

3. 3カ月に1度対面での面談を実施する

自社支援を行うにあたり、雇用する外国人を監督する立場にある者と支援担当者または支援責任者が直接対面でも面談を行う必要があります。

4. 入管へ定期的、または随時提出物を作成し提出する

登録支援機関へ全部委託していた時と変わらず、自社支援に切り替えても定期届出(3カ月に1回)や随時届出(変更点が出た場合発生時から14日以内)は行わなくてはなりません。
さらに、自社支援になると提出する書類の種類が増えたり変わったりする場合があるので注意をしましょう。

いかがだったでしょうか?今回は特定技能自社支援切り替えまでの挑戦の内、
①受け入れ機関になる要件
②自社支援に切り替える要件
をまとめてみました。
次回は自社支援に切り替えの手続き内容についてまとめます!

それではまた。momo

ABOUT ME
momo
31歳。2度の転職を経て現在は4代目町工場の社長候補にクラスチェンジ。 日々の試行錯誤の中で気軽にできる「ちょっといいじゃん」な情報を稼ぐ&貯める/ボディメイク/製造業を継ぐ/商品レビューの4ジャンルで発信中。